ロング・キス・グッドナイト
  • 総合評価
  • 原題
  • 時間
  • 製作年
  • ☆☆☆☆☆
  • LONG KISS GOODNIGHT
  • 121分
  • 1996年
2008/07/26 [Review.12]
 「そもそもこの作品はB級と呼んでよいのか?」という問題には目を瞑ってください。
 100億ドルのアクション巨編ですから、ちょっとした映画ファンでも、知っていたり見ていたりする作品でしょう。
 が、見ていない方や知らない方が、(私の周りには)結構いらっしゃるようなので、セレクトしました。
 てか、コレと前作(同じ監督同じ主演女優という意味であって、話は関係ないんですけど) の『カット・スロート・アイランド』がヒットしていたら、レニー・ハーリン監督の地位、もっと高いような……。

 さて、本題ですが、 レニー・ハーリン監督とその(元)妻ジーナ・デイビス主演のアクション映画です。
 共演はサミュエル・L・ジャクソンです。
 監督のレニー・ハーリンは、『クリフハンガー』『ダイハード2』が有名かと。
 何で知名度が(私の周りでは)イマイチなのか理解不能ですが、衒いなく楽しめる娯楽作品です。

 あっと、そう言えば、★5ですけど、★4だと思ってもらっても結構です。
 レビューとしてあるまじきことなんですが、私の中に「レニー・ハーリン補正」という隠しパラメータがあるんですよ。
 しかもこのパラメータ、ゲームブックでサイコロが1つ増えるくらいの破壊力なので、八百長試合も良いトコなんです。

 ザックリとしたストーリーですが、 記憶喪失の女性(ジーナ・デイビス)が主役で、記憶はなくなっているんだけれども、 その後に出会った男性と結婚し、子供もいて、幸せに暮らしています。
 しかし、彼女がひょんなことからTVに写ってから、命を狙われる羽目になり、 私立探偵(サミュエル・L・ジャクソン)と自分の過去を探りに行くことになります。
 最後には、ハリウッド映画にありがちなんですけど、国家規模の陰謀に絡んで大事件へとつながっていきます。

 アクション慣れしていないお上品な方が見ると、疲れてしまうんじゃないかと思うくらい、 詰め込まれている映画で、危機に次ぐ危機の連続。
 2時間たっぷりワクワクさせられる映画です。

 ジーナ・デイビスが主演じゃなかったら、単なるアクション映画だったと思います。
 彼女は、絶世の美女でもないし、いわゆる「ブロンド」でもない。でも、存在感がある良い女優だと思うんですよ。
 ジーナ・デイビスはお人形さんじゃないんですよね。
 アクション映画で主演をする女優はたくさんの方がいらっしゃると思いますが、私の評価では彼女が一番のアクション女優です。
 こういう娯楽映画に不可欠な「応援したくなる気持ち」が持てますし、 彼女の泥かぶっても這いつくばって立ち向かう姿は、とても力強い。
 んー、語彙もなく、比喩も不得手で申し訳ないんですけど、彼女はミルクティーでもカフェ・オレでもなく、ストレートブラックって印象を持ってます。
 やー……結婚すると大変そーだ(´・ω・`)

 ところで、「映画」というジャンルにおいて、月並みであるかどうかの境界線って、言語化しにくいような気がします。
 しかし、あえて稚拙な脳みそで考察すると「どこまでスクリーンとの距離があるか」ってコトじゃないかと。
 ジャッキー・チェン映画のツボって、そこにあると思うんですよね。
 自分に出来るわけがないんだけど、「あの動き、頑張ったらできるんじゃね?」と感じちゃう。
 敵と戦うにしても、「理解できる悪」ではなく、「立ち向かうべき悪」なんですよね。
 だから、ジャッキーは私達観客の鏡としてスクリーンに栄えるんじゃないかと。
 逆に、突き放した距離感で名作となりうるパターンもありますし、巧みなバランスで観客を引き寄せる作品もあります。
 まぁ、もちろんコレは映画という媒体の持つ1側面に過ぎず、全能の基準足り得ない片手落ち論ではありますが。

 この作品は、ジャッキー映画に近い側面を持っていると思います。
 香港映画じゃないんで、銃で人は撃ち殺すし、ナイフで刺す描写もあるんで、「共感性」としては薄いんですが、 それでもやっぱり、彼女が前に進むためにはその殺人を否定しきれない部分がありますから。
 ストーリーに突っ込んだ話はしませんが、彼女が何のために戦うかっていうと、正義でも国家でも名誉でもないんですよね。
 ただ、家族を守るために戦う。
 その姿と目的に共感し得ない人は――って書こうと思ったけど、色んな家族があるから、そこはしょうがないか! (グダグダだ……)

 私立探偵のサミュエル・L・ジャクソンもイイ味出してます。
 彼、有名な役者になっちゃいましたが、彼のいい所が出ているのは、この作品が一番じゃないかと。
 『パルプ・フィクション』の彼がB面だとするなら、こちらの彼がA面だと思えるくらいいいキャラクターでした。
 彼も作中では子供がいて、そのことが最後の最後で行動原理の支えになっているんじゃないかと思えます。

 ハリウッドお決まりのラストの大爆発も、ヒネりが効いてて、単なる大爆発に終わっていないところも、最後まで楽しんで見られました。
 ノッケからケツまでいい意味で安心して見られ、何にも考えずに楽しめますし、強い女性の姿もきっちり描けていてカッコいい。
 しかも家族ってヤツのためにとなると、古き良きアクション映画の醍醐味が詰まってると思います。
 ついつい「あの頃のハリウッドは……懐かしいぜ(ノд;)」とかなっちゃう人、特にオススメです。
<<戻る<<
(C)2008 つな