やっぱまだ工事中……(つД`)
  • 総合評価
  • ★★★
  • 著者
  • 藤沢勇希[Wikipedia]
  • 巻数
  • 全12巻
  • 出版社
  • 秋田書店

マンガのレビューというよりも、「チャンピオンを称える会」になったらどうしよう?
そんな不安を抱えるマンガレビュー、8本目は『BM ネクタール』をお送りします。

このマンガ、映画のレビューと似たり寄ったりになると思います。
というのも、ストーリーが、まるっきり「B級映画」なんです。
近未来、人類は「バイオミート(BM)」を開発します。
20~30cmくらいの生物なんですけど、ガラス等の無機質でなければ、何でも食べて無限に増殖するBM。
(生殖などではなく、単体でグチョグチョ分裂します)
豚肉と似たような味らしく、食糧危機に瀕した世界はBMによって生きながらえている状態です。
しかし、大地震がBM管理上を襲ったことで、街にBMが逃げ出してしまい……というお話。

ね? B級映画でしょ?
ただ、週間少年チャンピオンに載っていただけあり、主人公は小学生です。
とは言え、さすがに全12巻、ずーっと同じシチュエーションではなく、3部構成です。
第1部は、小学生の主人公ら(熱血・綾波・出来杉・ジャイアン)がBMにより壊滅した街から生還する話。
第2部は、中学生になった主人公らが、USBM(アメリカ製のBM)が逃げ出したビルから生還する話。
第3部は……まぁ、映画でいうとこの3みたいな話です(一応シナリオは伏せます)。
このように、このマンガは、映画の1から3までが全12巻に収まっている感じですね。
B級映画と違って、基本的には主人公が変わらないというポイントは大きいと思います。

ストーリー展開や敵(BM)の設定も、B級モンスタームービー好きにはタマランでしょう。
BMはそんなにサイズがないですけど、1体のBMが人間一人を食い殺したとして30匹前後には増えますから、
放っておくとものすごい数で襲撃してきます。
日光(暑い場所)では干からびてしまうナメクジっぽい弱点はありますが、水をかければ復活するし、
細胞1つ1つがBMそのものなんで、銃では中々殺せません。
火炎放射器や超低温ならヌッ殺せますけど、肉だけじゃなくて植物なんかも食べちゃいますから、
殺しても殺しても増える一方です。

2部で登場するUSBMは、増えはしないんですけど、どんどん巨大化します。
まぁ数が増えるかサイズが増えるかの違いくらいで、外見はともかく、特性は一緒ですね。
頭は良くなく、取り合えず齧ってみて、食えそうなら食う。
音に敏感で目などの器官はないく、足も早くはないんですが、
結構体力があるみたいで「疲労する」ということがないらしくで、作中そのような描写がありませんでした。
エネルギーの法則からいえば、あのサイズで疲れないってのはどうかと思いますケド、気にしない!

主人公達は普通(でもないな……)の子供なんで、ライター&スプレーなどの即席火炎放射器なんかで切り抜けていきますが、
基本的には「トンデモ設定やトンデモ兵器でヌッ殺す」のではなく、アイデア勝負のその辺にある物で工夫してBMと戦います。

あと、他にも「びっくりするくらいB級映画!」と感じる部分があって、
B級ホラーには欠かせない「ああ、死相が出てるよ、この人」ってキャラクターが、かなり登場します。
もう、面構え、性格、言動、すべて死亡フラグです。
そいつら、スカッ爽快に、一人残らず死んで行きますね。
BMの脅威で、世界平和に一歩近づきそうな勢いです。
そういうヤツらが生きたまま食べられたりしますが、グロ描写は控え目なので、
超ニガテ(E)でもない限り、大丈夫だと思います。

秀逸なのは、著者が「変なオリジナリティ」に執着せず、ただひたむきにB級映画の世界を紙面に描いているところ。
やっぱ、漫画家ってクリエイティブと言われる職業のひとつだろうし、ホントは色々やりたくなるとは思うんですが、
(その欲求があるんだかないんだか)B級の基本に忠実なストーリー展開が見事。
(この作者の場合、前作の『球鬼Z』で無茶やり放題ですけど)
というか、B級映画が好きじゃないと出来ないわ、これ。

それに、部が変わるたびに数年が経過しているので、
主人公達がどのように変化したのかを追うだけでも、そこそこ楽しいですね。
1部で綾波のように寡黙で暗いヒロイン幼女は、2部で巨乳オテンバに大変身ですよ。
そうなった原因というか理由らしきことも、ポソッと語りますが、こういう細かい芸も映画的ですね。

★3ですけど、あの谷間にやられちゃったり、B級映画が好きなら★4でしょう。
でも、★5になれないのは、やっぱいい意味でB級作品だからですね。
いちいち感動させたりとかないですし、「おお、こうくるか?!」みたいな展開じゃないです。
もう、ホントB級映画のトレースです。
死ぬと思われるキャラは死に、「や、絶対これはまだ来るよね?」と思ったら襲われるという。
水戸黄門に通ずるところが感じられる、一種の古典芸能ですわ。

ヤングジャンプで連載中の『GANTZ』あるじゃないですか。
あれもB級丸出しアクションですけど、(ベクトルは異なりますが)アレをもっとコテコテにした感じですかね。

もし、「B級映画は好きだけど、マンガはあんまり……」って方がいらしたら、
是非、目を通して欲しい作品です。
逆に(あんまりいないと思うけど……)「BM好きだけど、あんまり映画見ない」って人は、
ウチのサイトでソレっぽいレビューのを読んでくれれば、ありがたいッス!
いつもに増してまとまりのない書き方になってしまいましたが、今回はこの辺で。

このあとに連載された、同じ作者のBMの焼き増し作『エレル』、打ち切らないで欲しかったなぁ……


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