やっぱまだ工事中……(つД`)
  • 総合評価
  • ★★★
  • 原題
  • 28 Days Later…
  • 時間
  • 114分
  • 製作年
  • 2002年

さて、今回は「トレインスポッティング」のダニー・ボイル監督が放つ新感覚バイオ系サバイバル・ホラー!」との謳い文句、
そこそこ有名なゾンビ映画『28日後…』をお送りさせていただきます。

恒例にしたいストーリー転載は、Amazonさんから。

たった1滴の血液で感染し、人間の精神を数秒で破壊する新種のウィルスが発生した。
感染者の血管は純粋な激しい怒りで溢れ、人間の声を聞いただけで相手を殺そうと襲いかかる……。
28日後、ジムは病院の集中治療室で昏睡状態から目覚める。
世界から何もかも消滅してしまったような静寂の中、ジムは生き残った4人の非感染者たちと共に1台のタクシーで旅立つ。
未来を救えるわずかな可能性を信じて。
しかし、死のウィルスより恐ろしい存在に彼らはまだ気づいていなかった……。

通常、ゾンビ映画は起承転結で語られることが多いのではないかと。
 起→ゾンビ発生
 承→逃げる逃げる
 転→脱出、あるいは解決策の提示
 結→大団円orバッドエンディング
こんな感じですよね。
本作はそういう流れの映画とは違います。

ストーリーにもあるように、オープニングが終了すると、ゾンビ発生から28日後。
舞台はイギリスですが、もはや人はほとんど住んでおらず、いるのは大量のゾンビ。
この荒涼とした設定の中、主人公らが生き延びるためのお話です。

こういう舞台設定のため、普通のゾンビ映画じゃないです。
高評価の方も多いようですが、見る人によってだいぶ票が割れるのではないかと。
というのも、これってば、ゾンビ映画の形をした『猿の惑星』なんですよね。

もちろん『猿の惑星』とはかなりの違いはあるし、きちんとゾンビも出てきます。
けど、「ショットガンをぶっ放し、ゾンビどもをぶっ殺す」ってお話じゃないんです。
このフィルムで語られるのは、「終末の生存」であって、「脅威からの脱出」あるいは「異形との対決」ではないんです。

つまり、「ウヒャハハー!! ゾンビ死ね死ね死ねヽ(`Д´)ノ」ってのを期待すると肩透かしを食らいます。
あくまでもゾンビは「終末設定」の舞台装置に過ぎず、
主人公らが相対するのは異形ではなく「終わり」という形のない、救いのない世界です。

じゃあ面白くないのかというと、そうでもないです。
B級映画にありがちな基本パターンのをきっちりと押さえているし、
「かつて人間だったものに襲われる恐怖」はちゃんと存在します。
よって、こういう「穿った視点のホラー映画」では、よく見られる
「別に敵がゾンビじゃなくても良かったんじゃねーの?」って不満はなかったですね。
むしろ、敵がゾンビだったからこそ、終末という恐怖を映像化できているんじゃないかと思います。

まぁ、いまさら私が語る話でもないですけど、シリーズ化されるゾンビ映画って、
大体最後の最後のシリーズは「地球全土にゾンビ大発生。わずかに生き残った人類は・・・」って展開です。
何故そこに落ち着いてしまうのかと言えば、「ゾンビ」という異形がそれを構築してるんですよね。
「かつて人間だった」という敵。これは「人類の脅威」であり、「人類の駆逐」を連想させます。
その脅威の帰結は「人類の絶滅」であり、「終末」の一端なんですよね。
ファンタジーオタの言葉を借りれば「地獄の門が開いた」って感じですかね。

要するに「ゾンビ物」には終末感が存在します。
それを抽出し、それのみを映画化したものが本作品といえるんじゃないかと。
そういう意味では、ある種ゾンビ映画の原点を描いた作品です。

イチ観客として「あー、こういう映画もありだな」と思いました。
けど、キツイことを書かせてもらえば、これって単なる「ゾンビ論」ですよね。
確かに終末を描くことにかけて、この映画は秀逸です。
でも、コアを切り出したピンポイントな映画とは娯楽ではなく、芸術の粋なんですよね。
逆に言えば、B級映画の本道とは、一過性の不純な娯楽じゃないかと。
この二律背反がB級映画のいいところであり、あくまでもB級にとどまる所以じゃないッスかね。

で、話がやっとこさ頭に戻りますが、評価が割れるのだと思います。
つまりB級映画に首まで浸かったハードなファンほど、「もっとゾンビしてくれよ!」と感じると思います。
(ちなみに私もそのクチです)
逆に、ヒザ程度までしか侵食されていない健全な真人間には、そこそこ楽しめる映画だと思いますね。
というのも、B級映画的な設定・展開をしつつも、ベタなベタすぎる幼稚な描写や、
下品なスラングが飛び交う世界じゃないんです。
この映画がそこそこヒットした理由は、こういう「あくまでも一般人が鑑賞できるゾンビ映画」だからでしょうね。

あー、すげぇ雑談なんですけど、『バイオハザード』を皮切りに、どーもゾンビ映画に「一般化の波」が押し寄せてませんか?
ホラー映画ファンが増えることは喜ばしいのですが……冷静に考えたら、ゾンビってそんなソフトな題材じゃないような……
この作品もバイオも「ゾンビ映画の一端」に過ぎないんだから。
まぁ、こういう一端の場合、結構お金かかるから、長続きするとは思えませんけど。


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