やっぱまだ工事中……(つД`)
  • 総合評価
  • ★★★★
  • 原題
  • PLANET TERROR
  • 時間
  • 105分
  • 製作年
  • 2007年

わーぃ、レビュー30発目。
ということで、有名な作品をチョイスしてみました。
ロバート・ロドリゲス監督の『プラネット・テラー』でっす。

この監督といえば、『デスペラード』から始まり(?)、一般の方には『スパイキッズ』シリーズが有名なんじゃないでしょうか。
でも、このレビューを読んでくれている方は、氏の作品では『フロム・ダスク・ティル・ドーン』や『パラサイト』ですよね、きっと。
氏は元々B級ホラー、特にゾンビ物が好きらしく、その思いが顕著に出たのが本作『プラネット・テラー』でしょう。

ストーリーは、生物兵器(毒ガスっぽいの)が、軍と科学者のトラブルから町にあふれ出てしまい、感染した人間が、次々とゾンビになっていきます。
そこで、ゴーゴーダンサーのヒロインと解体屋の主人公を中心に、住民達は町からの脱出しようと試みるのだが……。
というノリで物語が展開されます。

軍の部隊長(作中ではトップの立場です)にブルース・ウィリス、その手下にクエンティン・タランティーノ。
科学者は『イングリッシュ・ペイシェント』や『LOST』のナヴィーン・アンドリュース(サイード役)。
この辺りが、本作での有名俳優でしょうかね。
まぁ、もちろん、ロバート・ロドリゲス作品ですから、全員端役だし、ほぼ「悪役」ですけど。
ああ、それとオッサン医者役ジョシュ・ブローリンは、『グーニーズ』でマイキーのお兄ちゃんの人ですね。
面影があるところに、自然とニヤけてしまいます。

この監督の映画には、「おおよそ普通のセンスでは思いつかないような」もしくは「酒の席で笑い話で発案したような」小道具が登場することが多く、
本作でも「いや、これはアリエンだろ」と良い意味でのツッコミをさせてくれます。
というか、今作の場合、「小道具」なんて枠じゃないですね。
ヒロインのメインウェポンですから。

何であるかまで言及しちゃいますが、ジャケットになってるし、予告映像でも流れちゃってるんで、非ネタバレとして語ります。
面倒なので、文字反転とかしません(……こういうのって、した方が良い?)。

ヒロインのダンサーは、作中、片足を切断することになるんですよね。
まぁ、そいで最初は義足でテコテコ歩いていて頼りない印象なんですけど、途中「義足でなくアサルトライフル」を失った足の代わりに付けちゃいます。
片足M16(記憶なので違ったらごめん)の美女が、ゾンビ軍団と激突です。
この設定だけでB級映画に必要な……言語化できない「ktkr!」が爆発です。
片足失って数時間で、義足を付けて歩いている時点でアレなんですけど、
もうね、そういう細かいことはどうでも良いです。

チトこの作品のレビューから逸れますが、B級映画って、こういうギミックの評価が二極化しますよね。
「ありえないもの」が出てきた途端、スンゲェ萎える作品。
「ありえないもの」が出てきたところで、笑って許せちゃう、むしろ「もっとやれ!」ってなる作品。
本作は後者に分類されると感じましたが、さてはてこの差異はどこから来るのでしょうか?

私見ですが、これは「遊び心」の差であり、製作者の「映画愛」の差なんじゃないかと。
いわゆる「分かっている監督」が撮ると、トンデモ設定でも違和感ないんですよね。
この両者の差は「物語をフィルムに収めたもの=映画」と「フィルムの中に世界を構築したもの=映画」なんじゃないかと。
名監督は(能動か受動か知りませんが)、この「世界構築」がウマいんじゃないかな、って。
スピルバーグ然り、ルーカス然り。
人食いサメが出てきても、「フォース」なんて謎パワーがあっても、民間でタイムマシンが発明できちゃっても、考古学者がナチスとバトルしても、
それ自体に強い違和感を覚え、よって「この作品は駄作である」というレッテルを貼られないんじゃないかと。
どんなエンタテイメントも、説明しすぎた段階で、それは作品からチラシ裏に失墜するモンです。
ロバート・ロドリゲスは、そういう設定を(ツッコミはあれど)違和感なくフィルムに収める技術があると思ってます。
逆説的に、これらの傾向を持つ監督は、役者が世界のパーツ過ぎないことが多く、演技面での評価はあまりされない傾向にありますケドね。

まぁ、そんな与太話はさておき、本作はそういう「お遊び要素」も満載ですが、
他のロバート・ロドリゲス作品よろしく、結構な数の人物が印象に残る作品でもあります。
序盤でゾンビになろうと、出てきてすぐに退場しても、思い出せちゃうインパクトが素晴らしい。
誰があのベビーシッター2人が、ちゃんと戦力として機能すると予想したでしょう? ってトコロ。
そういう映画文法を逆手に取ったギャップのインパクトは、こういうB級映画では、バタバタ人が死ぬため、必須要素でしょうね。
(失敗するダメ映画は、それこそ星の数ですけど)
やってること、オタ文化の古典技法「ツンデレ」と同じですから。
いやぁ、分野が違っても、オタク同士、焦点を合わせる場所が一緒というのが、サルの芋洗い的で素敵です。
余談ばっかりですけど、国境を越えられるのは、音楽とオタクだけじゃないかと思う。

ここまで褒めちぎって評価★4ですけど、B級ラバーの場合、★5じゃないかと。
けど、やっぱり一般的な意味では、★5にはなれません。それがロバート・ロドリゲスクオリティ。
や、良い意味ですね。ただ、どう頑張っても、一般人が「このゾンビ映画、面白いじゃん」とは言わないと思います。
例えるなら、畑は違えど『AIが止まらない!』ですかね。
パソコンから女の子が出てくる時点で、ストーリーは遥か彼方に置き去りにされ、一般人は裸足で逃げ出すと思ってるんで。

悪いところというと、無理やりひり出す感じですが、ヤマが小さいとは思いました。
もっと叡智がなければ乗り切れない危機が入っていれば、良かったですかね。
あと、良し悪しで語れませんが、スプラッタ描写がそこそこありますから、苦手な人は心構えをしてください。

こういう作品を、敢えて狙って撮っているだろうと思われる監督なので、押えておくべき作品です。
映画って業界を盛り上げるのは、いつだってムービーホリックな変人の辣腕だと思わせてくれます。
是非、ご自宅に一本はキープして、後ろ指を差される余生をお過ごしください。


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