やっぱまだ工事中……(つД`)
  • 総合評価
  • ★★
  • 原題
  • VAMPIRE BATS
  • 時間
  • 89分
  • 製作年
  • 2006年

タイトルどおり、コウモリと戦う映画です。
vsコウモリものですと、『BATS 蝙蝠地獄』が有名かと。
そこそこ知名度のあるルー・ダイアモンド・フィリップス主演で、悪くないB級映画ですね。
まぁ、そっちはそう遠くない未来にレビューしたいと思っているんで、今回は『ヴァンパイア・バット 死蝙蝠の町』です。

ストーリーは、いつもの通り単純です。
複数の噛み跡があり、血を吸われた死体が見つかります。
主人公(女)は、動物学(?)の教授で、調べていくうちに、
それが産業廃棄物によって突然変異したコウモリによるものだと判明。
学生らの協力も得て、コウモリ退治に乗り出します。

まず、敵ですが、何のことはないコウモリです。
吸血コウモリのすごいヤツですね。
私もホラー映画知識とウィキペディアで調べたことくらいしかないんですけど、
普通の吸血コウモリって、人間を襲うことはまずないし、襲ったとしても死ぬほどじゃないらしいです。
吸血コウモリ=ヤバイ生き物ってイメージは、明らかにドラキュラ系映画・文学による印象ですね。
余談ですけど、毒グモも致命的な毒はほとんどなくて、みんな知ってるタランチュラの毒は弱いらしいですね。
イメージってすごいとか思ったり思わなかったり。

要するに、普通のチスイコウモリでは文字通り「お話にならない」ワケですから、
この作品のコウモリはミュータントコウモリです。
しかし、何がミュータントかと言えば、「牙が多い」「人を襲う(攻撃性が高い)」「死ぬまで血を吸う」くらいでしょうか。
大きさが途轍もないワケでも、変に知能が高いわけでもありません。
よって、この作品では「個」と戦うわけではなく、「群れ」を相手にします。

が……弱い。
無防備に襲われるとひとたまりもないんで、無茶苦茶な弱さではありませんが、攻撃力自体、サイズがサイズなんで高が知れてます。
群れで襲い掛かってくるのですが、30~40人規模のパーティ中に襲われても、急いで逃げれば死者2名くらいですかね。
リアルで2人死亡したら、エラい事件ですけど、こういう映画の「クリーチャー的なもの」に集団が襲われて、
死者2名前後って、かなり控えめな数字ですよね。
この弱さが原因で、映画のドキドキ感が低下します。

また、この作品は、ストーリ上に変わった展開があります。
汚水による突然変異なので「悪いヒト」がいるんですけど、それが意外なオチですね。
まぁ、そんなところで「意外な犯人」というバーロー的な要素を持ち込まれても、本筋の面白さは微妙なんですケド。

あとは、登場人物をもうちょっと「映画的」に分かりやすくして欲しかったです。
まず、冒頭部分でパッとしない学生3名(男2女1)が、秘密のパーティに行くことになり、男1がコウモリに殺されます。
で、酔っ払いながらですけど、男1は女にフラれるんです。
まったく予備知識なしで見た私は、「ああ、このカップルが主人公ね」と思ってました。
そしたら、違うし。

次のシーンで、2人の教授(夫婦)が出てきます。
結論、その妻の方が主人公なのですが、この時点で私には把握できません。
次に、襲われた鹿を調べる野生動物管理局の男性が登場します。
この段階で、私は「あれ? 主人公って、コイツか?」とも考えました。
その次から、女教授視点で話が進むようになるので、「ああ、コイツか」と判断できますが、
初登場時に色々愚痴っているので、「男の教授が主人公なのか?」とも思ってましたし。
モウネ、予備知識がないと、誰が主人公だか分からんですよ。
そういう無駄な混乱は不要。

「誰か1人が主人公なワケじゃないぜ」っていう、ストーリラインがしっかりした人間群像劇じゃないんですから。
というか、処理できもしないのに、登場人物を詰め込みすぎた弊害かと。

そりゃ、リアルに考えれば、「町に吸血コウモリが出てワー大変」ですから、
野生動物管理局も警察も専門家である教授も呼ばれるし、様々な行動を起こすことでしょうよ。
んでも、「登場人物1人1人に存在する理由」を与えちゃってるんで、逆説的にキャラクターが希薄になるんです。
89分間で、こういうジャンルの映画で、そんな数のキャラクターを活かせるわけもなく、
結局「別にコイツらいなくても良いんじゃね?」と思いました。
死神隊長軍団とエスパーダでも、もうちょっとキャラ立ってます。

また、「主人公が主人公である意味」が分かりませんでした。
多くのB級映画の主人公は、「主人公たる資格」を持っています。
それは専門知識だったり、勇気だったり、体力だったり、様々ではありますが「ヒーローたる資格」を有しています。
もちろん、そうではない普通の青年がフューチャーされることも多々ありますが、
その場合は「優しさ」があったりして、他の登場人物はさっさと逃げ出すのに、
友達や好きな異性を助けるために努力するんですよね。

しかし、この女教授ですが、微妙です。
専門家のクセに専門家としてあんまり活躍しません。
「汚水を調べて、その成分がコウモリからも検出された」くらいでしょうか?
そもそも、その汚水を調べることになったきっかけは、警察の検死官の指摘です。
また、噛み跡がコウモリだということに気づいたのは、確かに主人公かもしれませんが、同時に夫も気づいています。
最後のコウモリ退治の作戦は、ほぼ学生のアイデアです。
生徒想いですが、特筆するような「優しさ」じゃないです。

つまり、「要らない子」なんですよねぇ……。
ここまで色々書きましたけど、結局問題点を集約すると、監督さんが「B級作品には”人間”が描かれていないけど俺は違うぜ?」
とでも思ったのか、色んなキャラクターを出すことにより、「型(パターン)にハマッた”人間”すら描けなかった」んじゃないかと。

そういう部分に力を入れたことが墓穴だったのか、驚くほどラストがあっさりしてました。
1転2転することなく(ちょっとトラブルありましたけど、B級映画ではアレは予定調和であり、「1転した」と言わない)、
エンドロールが流れ始めたので、思わずエンドロールを早送りしました。
「え? このエンドロールはフェイクで、微妙な演出でも良いから、何かあるだろ?」と。
や、何もなかったですけど!

簡単に言えば「ヤマなし・オチなし・イミなし」です。
そりゃ、B級映画に娯楽以外の「意味」は皆無かもしれませんが、ヤマとオチがないのはどうなんだ?

あと、気になったのは、前述した「最初に出てきた学生」ですね。
ラストでチューするんですけど……するんだけど……エッ?!∑(゜△゜;)
この部分の唐突感は、是非、ご自分の貴重な時間をドブに捨てて体験していただきたい。

しかし、それでも悪くはない映画です。
決して良くはないんですけど、コウモリがちゃんとコウモリしてますし、
CG処理が流行ってから多々見られる「映像上の違和感」はありませんでした。
また、「これから面白くなって来るんだぜー!」という期待感はそこそこ。
裏切られても、私のせいじゃありませんが。

話は変わりますが、グロ演出はほぼないですね。
死体は出てきますけど、そりゃメジャーアクション映画の死体よりはグロいかもしれませんが、
B級ホラー系のなかでは断然マイルドで、気持ち悪くなるシーンはないと思います。

そんなこんなで、『ヴァンパイア・バット 死蝙蝠の町』でした。
あのブタっぽいコウモリフェイスが病み付きの方は、覚悟の上、どうぞ。


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